一番寂しい物を考えようとした― 私がこれまで見て来た何よりも―
I tried to think a lonelier Thing
Than any I had seen—
Some Polar Expiation—An Omen in the Bone
Of Death's tremendous nearness—
一番寂しい物を考えようとした―
私がこれまで見て来た何よりも―
北極での贖罪や―骨の中のきざし
いままさに死のうとする直前の―
I probed Retrieverless things
My Duplicate—to borrow—
A Haggard Comfort springs
取り返しのつかない物を探った
自分の分身を発見して―借りる為―
痩せっぽちの慰めが湧きあがる
From the belief that Somewhere—
Within the Clutch of Thought—
There dwells one other Creature
Of Heavenly Love—forgot—
どこかにきっといるという信念―
自分の考えの及ぶ範囲のなかに―
もう一人の生き物が住んでいる
天上の愛から―忘れられた生き物―
I plucked at our Partition
As One should pry the Walls—
Between Himself—and Horror's Twin—
Within Opposing Cells—
お互いを隔てる壁を引っ張った
穴を開けようとする人のように―
自分自身と―恐怖の分身との間の―
隣り合う独房と独房を仕切る壁―
I almost strove to clasp his Hand,
Such Luxury—it grew—
That as Myself—could pity Him—
Perhaps he—pitied me—
もう少しで手が握れそうだった,
それが贅沢な悦びに―ふくらんだ―
自分が相手を―あわれんだように―
相手も自分を―あわれんでいた筈―
🔵F570/J532/1863(33歳)🔶 lonelier
*「赤い橋」(作詞:北山修 作曲:山本幸三郎)1970『浅川マキの世界』
イントロに,少女と少年の会話がエコーで響く。
「わたし地球で一番不幸せな者になっているわ。そうすれば私のことわかるでしょ」
「しるしをちょうだい。あなたをどうやって探し出したらいいか教えて」
「いつまでも君を愛するよ」
……メーテルリンク『青い鳥』(1908)からの引用で,おそらくアルバム蠍座実況録音部分の構成の寺山修司の発案だろう。
時 「さあ、死にに行くんじゃないぞ。生まれに行くんだ。さあ、行け。」
第二の子供 「しるしを残して行って。たった一つでいいから、どうやってあんたを見つけたらいいのか教えて。」
第一の子供 「ぼくはいつだってきみを愛してるよ。」
第二の子供 「あたしは一番悲しいものになるでしょう。それで、あんたはあたしがわかるはずよ。」
『青い鳥』(堀口大學訳 新潮文庫)
*この生まれる前の子どもたちが生誕を待っている「未来の国」のモチーフは、ウィリアム・サローヤン(William Saroyan 1908–1981 )の一幕劇『Coming Through the Rye』(1942) 「夕空晴れて」(訳:加藤道夫)でも展開されている。